したがって支援企業はまず商品の安定供給を図らなければならない。
破綻したリテイラーから商品がなくなるのは、取引先のメーカーや問屋が破綻によって代金を払ってもらえなくなるから新規はもちろん、店頭に並んでいる商品を引き上げて回収するのである。
支払いの保証があれば商品を引き上げる必要がない。
現金払いしてくれるところがあれば喜んで棚に置いたままにするだろう。
マイカルのケースでは10日単位の現金決済で商品供給を維持していたが、イオンが支援に乗り出してからは最短で20日、最長で120日という長期の条件に変更させている。
連鎖倒産したマイカル関連企業は11社あるが、そのスポンサーもイオンは引き受けたために当然、イオンはマイカル九州も自らが支援企業だと簡単に考えていたフシはあった。
ところが、マイカル九州にはその気がなかった。
従業員は取引先を回り商品納入を説得して自主再建をやろうとがんばっていた。
北九州市JR戸畑駅前にはサティ戸畑店があるが、破綻後も地域ナンバーワンを維持していたくらいだ。
九州はオーバーストア状態で00年の小倉そごうから始まり岩田屋、壽屋、ニコニコ堂、ダイエーは店舗閉鎖するなど流通地図が塗り変わろうとしていた。
イオンにとって九州に進出するにはまたとないチャンスだ。
01年暮れには壽屋から計40店を継承。
子会社のSMハロー48店を傘下に収めた。
福岡県のHCホームワイドや同県ドラッグイレブンはすでに資本・業務提携関係にある。
マイカル九州が加わったことでイオンは九州最大のリテイラーになった。
イオンのよいところと悪い部分が噴出したマイカル九州問題イオンとマイカル九州の関係がこじれたことは詳しくは述べない。
しかし、はっきりしているのは、再建のスピードが要求される時代に1年も手間取ったのはイオンにとって大きな痛手だ。
マイカル九州の一件では反省の声も聞かれる。
資本の論理だけでは物事、特に提携や合併は進まないことを実感したということだろう。
一応マイカル九州のスポンサーの地位を獲得したものの、将来的にはリストラを進めなければならない。
この点が九州という土地柄では問題だ。
かつてダイエーが九州に進出した折りにはユニードという地元流通を飲み込んだが、オーナー一族だけではなく地元からも反発があった。
それをなだめるために、旧南海ホークスを買収し、西武に名を変え埼玉・所沢にフランチャイズを移した旧西鉄に代わって福岡に乗り込まざるをえなかった。
「世界の王(監督)を連れてきたのはさすがダイエーだけのことはある」という評価を得て、ようやく福岡に迎えられた。
九州はこういう土地柄だ。
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